読書
安藤 寿康「能力はどのように遺伝するのか 生まれつきと努力のあいだ」近年日本にも若く国際的に際立った才能が生まれているが、それは生まれついた才能なのか育った環境から来るものなのか。食生活の西洋化によって身体的なハンディキャップが小さくなりつ…
今井 むつみ, 秋田 喜美 著「言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか」 (中公新書 2756) 新書 – 2023/5/24 「オレのあの娘はタバコが好きでいつもぷかぷか、ぷかぁ〜」私の十八番は西岡恭蔵の名曲「ぷかぷか」オノマトペの歌だ。 犬は本当は何と鳴くのだ…
DAO(非中央集権的な組織)を学習するというプロジェクトが立ちあがろうとしているので、ブロックチェーンやビットコイン、スマートコントラクトなどの技術領域ではないところを知識として押さえておきたいということで読んだ本のリストを示します。 政府や…
本書の「経済学」は、働くことのしんどさをあらわに突きつけてきます。働く能力も知恵も社会における繋がりも社会的価値も見栄と虚構であり、資本主義の成功者はろくでなしの無能な老人で、デジタル技術は社会に害をもたらしていると。テクノロジー社会を作…
NHK BSスペシャル 2021年9月23日放送 https://www.nhk.or.jp/pr-image/d310f99431538ec8e270e746ab21e07f_ll.jpg 欲望の資本主義 特別編 生き残るための倫理が問われる時(視聴メモ) https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/1KMZV21R6P/ <世…
・14歳の自己紹介は難しい 14歳なのだから会社組織や職務経歴のような社会における相対的、経験的なものを持ち出すことはできません。私とはなんなのか、確固たる自己紹介のできる大人は稀ですし、よしんばその自己紹介があったとして聞いている相手は、はた…
行き過ぎた資本主義、劣化した民主主義、暴走する社会主義というスケールの均衡点を「社会規範の倫理的行動」に求める純粋さ 読書感想文 ・欲望の資本主義5 格差拡大 社会の深部に亀裂が走る時・無形資産が経済を支配する: 資本のない資本主義の正体 はじめ…
www.nhk.jp ノーベル経済学者のスティグリッツが2001年に新装版「大転換」の序文を書いた。著者カール・ポランニーの「市場が社会から切り離されると社会は経済に支配され、社会は悪魔の石臼に挽きつぶされてしまう」という言葉から始まる2021年のNHK BS1ス…
ファーガソンは歴史学者としてパンデミックの歴史的評価を「これまで国家が準備し十分だと思われていた対策が実は全く効果がなく最悪の対応になった。また、その理由は述べられていない。」と口にする。都市のシャットダウンはさらに経済を停滞させ、自らシ…
インターネットが邪悪で強欲な意思に支配される 本書はケンブリッジアナリティカ事件の中心にいた研究者であり技術者の告発であり、その裏側の邪悪な意思のストーリーです。パーソナルプロファイリングの5因子やフィルターバブル、コミュニティクラスター、…
マルクス・ガブリエルが唱える精神のワクチンとは?NHK BS1スペシャル コロナに対する行動を慎重(10)から無視(1)とした時に自分の行動指針は7くらいでガブリエルさんと同じくらい。3くらいの人がマスク拒否したり集会開いたりするのは、どうかと思うけどでき…
著者はあとがきでひとりごちる「マルクスで脱成長なんて正気か?」革新という古臭さを乗り越えてマルクス主義に立ち戻るなんていう衝撃をあなたは受け止めることができるか? ジェレミー・リフキンの限界費用ゼロ社会、デビッド・グレーバーの負債論、スティ…
マルクス・ガブリエル 危機の時代を語る (NHK出版新書 635)新書 – 2020/9/10丸山 俊一 (著), NHK 「欲望の時代の哲学」制作班 (著) 急激に変化する価値観の中で普遍でなどいられない。 アメリカンフリーダムなんて、相変わらず「自由を強いる」ことで世界を…
ジョセフ・E・スティグリッツ PROGRESSIVE CAPITALISM ~経済学のこれまでの理論は間違っているらしいですよ~ ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ教授の最新作です。一貫してトランプを反知性政権としてその政策のほとんどを滅多切りにしています。…
アリストテレスは何も動かなければ時間は経過しないと考え著書『自然学』の中で「暗闇の中ではわたしたちの体は何も経験しない」と述べた。反対にニュートンは『プリンキビア』の中で事物とは全く無関係な独立した流れの時間が存在すると述べている。近代物…
「AI以後 変貌するテクノロジーの嬉々と希望」丸山俊一著 マックス・テグマーク、ウェンデル・ウォラック、ダニエル・デネット、ケヴィン・ケリーという技術、倫理、哲学、そしてメディアの巨人を迎え撃つのは、NHKエンタープライズでBSスペシャル欲望の資本…
平成日本はサッチャー・レーガンに続く、ハイエクの新自由主義が席巻した時代と捉え、日本のデフレ脱却の失敗を鋭く指摘する異説の書です。「小さな政府」と「自由市場」を目指した「構造改革」の中身だった財政支出の削減、消費増税、行財政改革、規制緩和…
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2443/2225682/index.html 「貨幣信用説」貨幣は情報である。 ビットコインは貨幣そのものをアダム・スミスの提唱した「市場の神の手」に委ねるようなもので、1976年ハイエクの貨幣自由化論(貨幣非国有化論)による…
欲望の資本主義 第三弾 「偽りの個人主義を超えて」を書籍化。The FourでGAFAを厳しく批判したスコット・ギャロウェイ、その後に暗号資産の将来の賛否を述べてから、ユヴァル・ノア・ハラリがホモ・デウスで述べたような技術の静かな暴走がもたらすディスト…
「最近テレビがつまらない」で始まる、旧態依然とした放送・映像業界の凋落と終末を予見させる達観に少しの悲哀を感じる。そして、ところかまわず躍進するアメリカのデジタルプラットフォーマーであるFANGの獰猛さに脅威を感じる内容となっている。 放送、通…
gihyo.jp アジャイル開発をコストやスピードだけで語るのではなく、不確実性の管理という視点で論じるのは重要だ。アジャイル開発で安く早くプロダクトをリリースとか言う人がいるが、ソフトウェア開発はそんなに甘くない。魔法じゃないのだから早く安く作れ…
テッド・チャン原作「あなたの人生の物語」の映画 メッセージ(原題ARRIVAL)をみてきました。映画を見てから原作を読み直してみたりして、なかなかいい映画だったなと思いました。映画だからドラマにしなくちゃいけないところも、上手に見せてくれました。…
増田 博己 (Hiromi Masuda)さん、新作発表、福山ミステリー文学新人賞受賞。著作開始からなんと3年でこの快挙!!文学作品にミステリーの手法という手技を堪能したい。 主人公 吉村学はIT企業のエンジニアを定年退職したシニアライフのやるせない浮遊感を趣…
金融業務について少し調べてみたいという動機で読み始めたもののうちの一つ。金融業務のバックエンド・テクノロジーといえばフラッシュ・ボーイズみたいな超高速取引(HFT)とかリーマンショックを引き起こしたリスク評価手法のマジックくらいという認識だっ…
競争的な市場主義によって極限まで生産性を上げてきた結果、生産に関わる限界費用がゼロに近づく社会において資源やサービスを共有する経済モデルへの移行が必要だという論。産業革命以来の資本主義の歴史をひもときながら、資本に対する生産の従属、垂直統…